◆「フィデリティ・グロース・オポチュニティ」への期待
売れ筋ランキングで順位を上げている「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンド」は、日本を除く世界の株式上場企業の中から、フィデリティのグローバル市場の調査力を駆使し「真の成長機会を発掘する」という考えのもとで、大型株式のみならず、中小型株式にも積極的に投資する姿勢を持つ。特に、株価の調整安後の株価上昇局面で強みを発揮し、同ファンドと同じ投資戦略で運用されている米国籍投信の運用実績は、「世界金融危機(リーマンショック)後」の上昇相場(2009年2月末~2010年4月末)で「S&P500」が59%上昇する中で73%の上昇を記録。「欧州債務危機後」の2011年9月末から2018年9月末に「S&P500」が342%上昇する中で425%上昇し、「コロナ・ショック後」の2020年3月から2021年12月末の期間でも「S&P500」が100%上昇する間に132%の上昇になっている。
「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンド Dコース」のトータルリターンは2024年10月末時点の過去1年間で63.74%であり、これは同期間の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の45.1%を大きく上回っている。この優れたパフォーマンスが売れ筋としてランクを上げる大きな力になっていることは間違いないだろう。
ちなみに、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」は43.1%だ。同じように米国株を対象として「S&P500」は500超の銘柄に分散していることに対し、50銘柄に集中投資して、ほぼ匹敵する運用成績になっている。500銘柄もあれば玉石混交と言える状況にあり、調査して選び抜かれた50銘柄への集中投資の方が安心感があるという考え方もできるだろう。
なお、「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンド Dコース」も「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」もともに毎月決算ファンドであるため、新NISAの対象ファンドではない。しかし、「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンドDコース」は2023年3月の設定からわずか1年8カ月で純資産残高が1000億円を超え、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」も純資産残高は3兆3600億円を超えた巨大ファンドだ。収益非課税の恩恵がなくても、優れたパフォーマンスを出す・高い水準の分配金を払い出すファンドには強いニーズがあることを思い知らされる結果だ。
執筆/ライター・記者 徳永 浩