配当金に下限値110円を設定 13期連続増配は達成できるか

最後に株主還元方針を確認しておきましょう。

積水ハウスは2023年3月、2026年1月期を最終年度とする中期経営計画を公表しました。その中で株主還元方針にも触れています。

配当金は期間中、配当性向40%以上を目途に実施します。また下限値も設定し、少なくとも1株あたり110円を下回らずに支払う計画です。また、自己株式の取得は機動的に実施するとしました。2024年1月期は約400億円の自社株買いを行っています。

【積水ハウスの株主還元方針(2024年1月期~2026年1月期)】
・配当性向:中期的な平均40%以上(39.8%)
・1株当たり配当金の下限:110円(123円)
・自己株式の取得:機動的に実施(約400億円)
※()は2024年1月期の実績

出所:積水ハウス 中期経営計画

なお、中期経営計画の策定時はMDC社の買収が織り込まれていませんでした。還元方針は維持しつつも、今期(2025年1月期)は自社株買いを見送る方針です。なお、配当金は6円増配の129円を見込んでいます。

積水ハウスは2024年1月期までに12期連続で配当金の増額(増配)を達成しています。計画どおりなら、増配の連続記録は今期で13期に達する見込みです。海外を中心に積極的な投資を実施する同社ですが、株主還元にも資金を振り向け、投資家の期待を集めます。

出所:積水ハウス 中期経営計画および決算短信より著者作成
 

文/若山卓也(わかやまFPサービス)