「シャーウッド」ブランドの住宅大手 不動産型ビジネス厚め
積水ハウスは大手ハウスメーカーです。戸建住宅の「シャーウッド」や賃貸物件の「シャーメゾン」などのブランドで展開しています。不動産会社の面もあり、賃貸物件の借り上げによる収益のほか、不動産の仲介や開発も手掛けています。近年は映画『地面師たち』のモデルになった企業としても知られています。
積水ハウスは事業をビジネスモデルで大きく「請負型」と「ストック型」、「開発型」と「国際」の4つに区分しています。請負型は建築工事や土木工事など、ストック型は賃貸の借り上げやリフォーム事業など、開発型は不動産の開発や仲介などで構成されます。国際は海外事業です。
【積水ハウスのビジネスモデルの概要】
【請負型】
・戸建住宅:戸建住宅の設計、施工の請負、販売
・賃貸・事業用建物:賃貸住宅・事業用建物の設計、施工の請負、販売
・建築・土木:事業用建物の建築工事・土木工事の設計、施工の請負
【ストック型】
・賃貸住宅管理:賃貸住宅の借り上げ、管理業務
・リフォーム:戸建住宅・賃貸住宅のリフォーム
【開発型】
・仲介・不動産:住宅用地・既存住宅・収益用不動産の仲介、販売
・マンション:分譲マンションの開発、販売、管理
・都市再開発:オフィスビル・ホテル・賃貸マンションの開発、管理、運営
【国際】
・海外事業(戸建住宅の販売、不動産の開発や販売など)
利益の多くは請負型が占めています。しかしストック型と開発型の貢献も小さくありません。東証では建設業に区分される積水ハウスですが、不動産事業も柱といえそうです。
【積水ハウスのセグメント業績(2024年1月期)】
※国際は海外事業(戸建住宅の販売および不動産の開発、販売など)、その他は不動産管理業や損害保険代理店業など
なお、今後は国際も伸長する見込みです。積水ハウスは2024年4月、米M.D.Cホールディングス(以下MDC社)を約50億ドル(※7500億円)で買収しました。MDC社は引渡戸数ベースで全米11位のハウスメーカーです。償却費や取得に要した借入金に伴う金融費用の増加は懸念されますが、少なくとも売上高は大きく増加するとみられます。
※1ドル=150円で換算