10事業を展開するコングロマリット 60年間赤字なし
オリックスはリースを中心に成長してきた企業です。現在は事業の多角化が進んでおり、事業区分は10に分かれます。子会社には化粧品のDHCや「ライオンズマンション」で知られる不動産の大京などを持ちます。グループ企業の数は子会社で1132社、持分法適用会社で127社に上ります(2024年3月期)。
主力のリースは主に企業向けの自動車や電子機器などの貸し出しです。また航空機や船舶のリース(輸送機器セグメント)も手掛けます。さらにオリックスは銀行業や保険業、貸金業なども展開しています。俯瞰すると、オリックスは金利の影響が比較的大きい企業といえそうです。
その他の事業は不動産事業やエネルギー事業、企業投資やコンセッション(※)による空港といった施設運営事業などです。また海外事業は主に金融や投資、アセットマネジメントなどで構成されます。
※コンセッション:公共施設の所有権を公的機関に残し、運営は民間事業者が担う事業形態
【セグメント利益(2024年3月期)】
・法人営業・メンテナンスリース:812億円
・不動産:658億円
・事業投資・コンセッション:434億円
・環境エネルギー:299億円
・保険:700億円
・銀行・クレジット:967億円
・輸送機器:268億円
・ORIX USA:173億円
・ORIX Europe:286億円
・アジア・豪州:343億円
出所:オリックス 決算短信
業績は比較的安定しています。2024年3月期までの60年間で最終赤字となったことがありません。金融機関の破綻が相次いだバブルの崩壊期や、アジア通貨危機、リーマンショックといった極端な金融収縮期においても黒字を確保してきました。分散した事業ポートフォリオが業績の安定に貢献していると考えられます。