投資会社の側面も 利益の2~3割は売却益、今期は最大7500億円を投資

オリックスは投資会社の側面も持っています。セグメント利益のおおむね2~3割は保有資産の売却益です。2024年3月期はセグメント利益の合計4942億円のうち1265億円が売却益でした。5年平均の売却益は1120億円に上ります。オリックスは投資と回収を繰り返す戦略を「キャピタルリサイクリング」と呼んでおり、資産収益性の向上を目指しています。

出所:オリックス プレゼンテーション資料より著者作成

近年の投資で注目を集めたのが東芝への出資です。資本性のある融資(メザニンローン)も含め2000億円を投じました。東芝は2023年12月に上場廃止となり、非公開企業として再建を目指しています。なお、東芝の2024年度上半期は1163億円の最終黒字となりました(前期上半期は521億円の純損失)。

オリックスは今期(2025年3月期)も投資と回収を進めます。通年では回収が5200億円~6000億円(売却益:1500億円~2000億円)、投資が5000億円~7500億円となる計画です。上半期までの実績は回収が2500億円(売却益:705億円)、投資が3200億円となりました。

売却益は期の後半に増加する傾向にあります。中間まで進捗は遅れているように見えますが、例年どおりなら消化は下半期に加速することが想定されます。

出所:オリックス プレゼンテーション資料より著者作成

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