金融商品では異例。対話による“ファンづくり”
――実際に、競合商品となる低コストのインデックスファンドが数多く登場しました。その中で、「Slim」が他を寄せ付けず、売れ続けているのはなぜだと見ていますか。
その要因は主に3つあると思っています。1つめは「商品性」。将来にわたって業界最低水準の運用コストを目指すというメッセージは、やはり、強い訴求力がありました。
2つめは「マーケティング」。「eMAXISシリーズ」誕生当時、ほとんどの投信の売れ行きは、なるべく多くの販売会社に採用され、しっかりとセールスされるかどうかにかかっていました。その状況を変えるには、投資家に私たちの商品のファンになってもらい、指名買いをしてもらうことだと考えました。まず取り組んだのは、ブログで金融商品や投資の情報発信をしているブロガーの方々との「ブロガーミーティング」です。投資家代表としてブロガーの方々に、ファンドのコンセプトなどを直接伝えて、対話を重ねていくことで、eMAXISブランドのファンを増やすことを考えました。おかげさまで好評を頂き、2021年からは、もっと幅広くいろんな方々に参加してもらおうと、「ファンミーティング」を別途立ち上げています。
そして、3つめは「運用力」です。ファンドの規模が大きくなるにつれて、インデックス運用に長けた優秀なファンドマネジャーが当社に集まってきました。インデックスファンドの運用で重要なことは、キャッシュフローのコントロールです。「Slim」シリーズは約5000億円のキャッシュが毎月入ってきています。インデックスファンドは、指数と同じウェイトで構成銘柄を買い付けてポートフォリオを構築する完全法での運用が望ましいわけですが、海外株のファンドに関しては、日々のキャッシュフローのコストを抑えられる最適化法※2でコントロールしつつ完全法のポートフォリオに持っていくという複雑なオペレーションを行い、取引コストを極限まで減らす努力をしています。加えて、人工知能(AI)の機械学習で日々のキャッシュフローを予測し、運用の精度を高めています。
商品性、お客様との関わり、そして運用力、これらが機能してここまでご支持いただいているのかなと分析しています。
※2 最適化法とは、インデックス構成銘柄の一部を抽出して、ベンチマークに連動したパフォーマンスを目指す運用手法。