本来なら課税される運用収益の約20%が非課税になる

NISA 最大の魅力は、運用収益が非課税となることです。最大のメリットをまず確認してみましょう。

株式や投資信託などの値上がり益を売却時に得たとき、あるいは株式の配当や投資信託の収益分配金を得たとき、そして銀行の預金の利息を得たときなど、その収益は課税対象となっており、なんと20.315% もの税金が引かれます(復興特別所得税0.315% を含む)。

約20% というのはなかなかの税率です。値上がりしたり値下がりしながらも売却の日までこらえて、30 万円の投資が35 万円まで値上がりしたとします。ところが5 万円の値上がり分をまるごと受け取ることはできず、約4 万円しか受け取れないわけです(そのほか、売却手数料がかかることも)。これがNISA であれば、全額35 万円を手元に残すことができます。これは大きいですね。

 

株式投資の魅力のひとつに配当があります。近年では株価の2.0% 以上になることも珍しくありません。こちらも非課税でまるごと受け取ることができます。これがもし約20%課税されれば手取りは1.6% と0.4% もダウンしてしまいます。銀行預金でも年0.1% にもならないところ、0.4% も引かれたらたまりません。こちらもNISA の魅力の大きいことが実感できます。

なお、配当を非課税で受け取るには、証券口座で受け取る「株式数比例配分方式」を口座開設時に選択する必要があるので、最初の手続きの際に注意してください(基本的にはそのような初期設定になっているはずです)。

●第2回は【毎月3万円の積立の結果でさえ何十万円と変わる事態!? NISAの非課税の大きすぎるメリット】です。(12月10日に配信予定)

60分でわかる!新NISA 投資術

 

著者名 山崎俊輔

発行元    技術評論社

価格 1,210円(税込)