世界有数の鉄鋼メーカー 生産量と「ひも付き」の高い割合に強み
日本製鉄は八幡製鉄所の流れをくむ鉄鋼メーカーです。2012年に新日本製鉄と住友金属工業が統合し、新日鐵住金となりました。商号を日本製鉄へ改めたのは2019年のことです。子会社には山陽特殊製鋼、大阪製鉄、黒崎播磨、ジオスター、日鉄ソリューションズなどを持ちます。
事業セグメントは4つに分かれています。ただし収益の大部分は製鉄セグメントで構成されています。日本製鉄の価値は製鉄セグメントが支えているといえるでしょう。
【日本製鉄のセグメント業績(2024年3月期)】
日本製鉄の粗鋼生産量は世界トップクラスです。2023年は4370万トンで世界4位となりました。なおUSスチールは世界24位(同1580万トン)で、買収が成立すればアルセロール・ミタル(世界2位、同6850万トン)に次いで世界3位となる見込みです。
生産量と並ぶ日本製鉄の強みがひも付き(※)の多さです。出荷全体の6割、主力の国内向けは7割がひも付きで販売されています。価格決定に裁量を持てるひも付きの多さは、収益の安定化に貢献していると考えられます。
※ひも付き:需要家からの受注生産で販売する形態。価格は需要家と直接交渉して決める。一方、店売りは問屋や商社に販売する形態。最終の需要家が支払う価格は市況の影響が強いとされる。