USスチール買収で注目 配当利回りは約5.0%

2024年の米大統領選はトランプ氏が勝利を収めました。これに伴い、日本製鉄によるUSスチール買収の成否が再び関心を集めています。

USスチール買収は2023年12月に公表されました。買収は米当局の承認を得ることが条件となっていますが、トランプ氏は投開票前から反対の姿勢を見せていました。なお、USスチールが本社を置くペンシルベニア州は、大統領選においてトランプ氏が勝利したとみられています。

大統領選を終えた今、改めて買収が成立するか注目されます。日本製鉄は、当初2024年9月末までとしていた買収成立時期を延期し、同年12月末までの完了を見込んでいます。トランプ氏は2025年1月に大統領へ就任する予定です。

買収の行方は不透明ですが、株式市場での評価は上々です。株価は2024年11月7日までの5年間で2倍に上昇しました。日本製鉄は業績の改善が進んでおり、投資家の買いが向かっているようです。

【日本製鉄の株価チャート(過去5年間)】
・株価: 3213円(2024年11月7日終値)
 

出所:Tradingview

高水準の配当金も投資家をひき付けます。今期(2025年3月期)は1株あたり160円の配当を予想しており、配当利回りは約5.0%の高水準です。

【日本製鉄の予想配当利回り(2025年3月期)】
・予想配当金:160円
・予想配当利回り: 4.98%

出所:日本製鉄ホームページ

配当利回りの高さから、日本製鉄は新NISAでも選ばれやすいと考えられます。配当金は本来およそ2割の税率がかけられますが、新NISAなら非課税です。

新NISAの成長投資枠は年に240万円まで投資できます。日本製鉄は、足元の株価水準なら700株まで購入可能です。配当金が予想どおりなら受取配当金は11万2000円、本来かかる約2万2400円の税金は免除されることとなります。

今回は日本製鉄へフォーカスします。同社の概要と業績を振り返りましょう。また日本製鉄は利益率の改善が顕著ですが、その源泉となっている構造改革についても紹介します。

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