マネーデザインのポイントは現在と将来のバランス
ここではマネーデザインのポイントを簡単にまとめておきます。マネーデザインは個人の事情なので大きく異なるのですが、一般的には以下のようなイメージです。
40代では、人生の3大費用(子育て・教育、住宅、老後)の資金計画と準備が重要になります。ポイントは以下のとおりです。
・子どもがいれば、「いつ、いくら必要か」が想定できるので計画的に準備(特に大学は自宅通学か否か、公立・私立、学部によって費用は大きく異なります)
・現在持ち家の場合は住宅ローンの返済余力、変動金利ローンの金利上昇時の対応、繰上げ返済資金の準備などが必要な一方、現在賃貸の場合は将来の持ち家取得や実家のリフォームなどの資金準備、老後の賃料のための資金準備
・少なくとも90歳までは生きることを前提とし、配偶者のことなども考慮した老後資金計画と準備
注意を要するのは、人間は「現在重視」の傾向(現在バイアス)があるため、将来、特に老後資金の準備は優先順位が劣後する傾向があることです。もちろん公的年金もありますが、公的年金だけでは豊かな老後は困難です(老後の住まいを賃貸とするのであれば、公的年金だけではさらに厳しい状況です)。豊かな老後のためには、将来を見据えて意識した資産形成が必要となります。まず、ご自身で老後の収支を具体的に把握してください。
<収入・金融資産>
・公的年金は「いつから」、「いくら」受給できるのか (ねんきん定期便や公的年金シミュレーターなどで確認)
・退職一時金、企業年金、現在の保有資産と今後の見込みなどの確認
<支出>
・老後の生活費、社会保険料・税金、住宅の維持費、旅行などイベント費などを具体的にイメージして算出
・退職時点での住宅ローン残高とその後の返済予定
ポイントは、将来の収支を「自分ごと化」「見える化」して把握し、必要な資金目標を明確にした上で、資産形成・投資など対策を考えることです。老後に必要な資金は多額になるため、短期間での準備は難しくなります。早くから資産形成・投資に取り組むことが豊かな老後を実現するために必要です。
(執筆:村井幸博)
●セカンドライフを豊かに過ごすために、50代の資産形成では何を意識するべきでしょうか。次回の記事【豊かな老後はまだ目指せる! 50代が実践できる「資産形成のラストスパート」を伝授】で詳説します。
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