法改正により増える問い合わせ

コールセンターが忙しくなりそうな法改正があります。2024年12月から確定給付型の制度のある事業所にお勤めの方は、iDeCoの拠出限度額が変更になります。具体的には下記のとおりです。

5.5万円  -(企業型DCの事業主掛金額+他制度掛金相当額)≧2万円→2万円以下
5.5万円  -(企業型DCの事業主掛金額+他制度掛金相当額)<2万円→その金額以下で5千円以上千円単位

この「他制度掛金相当額」は、確定給付型の制度の事業主負担分を毎月の掛金に置き換えた金額のことで、規約で決まっています。会社員の場合、他制度掛金相当額は加入する確定給付企業年金(DB)ごとに異なるため、一概にはいえません。公務員の場合、他制度掛金相当額は下記のとおり公示されています。

・私立学校教職員共済:7000円
・石炭鉱業年金基金:9000円
・国家公務員共済組合:8000円
・地方公務員共済組合:8000円

例えば、地方公務員であれば、5.5万円-8000円=4.7万円となり、2万円よりも大きいため、iDeCoの拠出限度額は2万円となります。

今回の法改正前から公務員のiDeCo加入率は高く、全員の拠出限度額が上がるため拠出を増やしたいという要望も多いようです。そのため、9月から国民年金基金連合会が事前受付を開始しました。10月末までにiDeCoの受付金融機関に書類が届けば、2025年1月引き落とし分から掛金引上げとなります(申込多数の場合は10月末を前に終了という注意書きもあります)。

相談機能を生かしたい「受取方法」

DCは、制度導入から20年以上が経過したため、「受取方法」に関する問い合わせも増えてきました。例えば、次のようなものです。

・いつから受け取れるのか?
・公的年金と同じタイミングで受け取るのか?
・一時金と年金はどう違うのか?
・受け取り方で税金が違うのか?

「受取方法」で問い合わせされる方の場合、「誰に聞いたらいいのか分からない」という状況にあるようです。そのため58歳ぐらいから、60歳以降のライフプランを立てることが重要です。

・仕事のリタイア時期
・公的年金の受取時期
・支出の見込み

上記の項目について60歳以降の収入と支出をイメージすることで、DCも含めた退職金制度をどう活用するのかを決めることができます。DC制度の普及に伴い、現役時代の「いかに運用するか」だけではなく、「どう受け取っていくのか」を考える必要性が高まっています。現に野村證券のDCコールセンターにも受取方法に関する相談が多数寄せられています。