iDeCoの普及で企業型DCに関する質問も増加
一方で、時期によらず多い質問は手続き面と移換についてです。企業型DCのある企業を退職し、何らかの手続きが必要という認識はあるがよく分からないという方が多いのが現状です。
iDeCo(個人型確定拠出年金、イデコ)の普及によりDC制度が定着してきた感はありますが、逆に企業型DCとiDeCoが同じ法律で成り立っている制度であるという点は浸透していないようにも思われます。そのため、ご自身で調べても分からなくなってしまうことが多いようです。
同様にiDeCoの普及により増えている問い合わせが年末調整関連です。企業型DCのマッチング拠出をしている方からの「年末調整の書類はどうやって受け取りますか?」という質問が増加傾向にあります。企業型DCの場合、年末調整や確定申告などの税の手続きは不要です。問い合わせをされる加入者の方の発想は、次のようなものではないかと思われます。
・iDeCoとマッチング拠出の税優遇メリットは同じ
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・iDeCoは掛金を給与天引きにしていない限り、自身で税の手続きが必須
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・マッチングも年末調整が必要なのではないか?
特に2022年10月の法改正以降、企業型DCの加入者であってもiDeCoに加入することが可能となったため(※)、問い合わせが増加しています。企業型DCの担当者の方々には、マッチング拠出は税の手続きが不要であることを加入者の皆さんに再度、周知いただけると幸いです。
なおiDeCoの加入者が年末調整や確定申告に使う書類(小規模企業共済等掛金払込証明書)は、例年10月末から郵送がスタートします。昨年からは、マイナポータルが使える場合は小規模企業共済等掛金払込証明書を電子データで受け取ることが可能になりました。
※企業型DCでマッチング拠出をしておらず、拠出額が毎月の拠出限度額内である場合