2022年に「40歳~44歳」の転職が急増
最近はミドル世代にフォーカスした転職サービスも登場。20代の若手だけではなく、ミドル世代でも転職は広がっているのでしょうか。調査では、先ほどの「転職を主目的とした離職率」を年代ごとに算出。
若手で特に離職率が高まっているのが、「25歳~29歳」です。もともと30歳以上の年代に比べて離職率は高い水準でしたが、グラフを見ればわかる通り、右肩上がりで離職率が高くなっているのです。グラフの開始地点である2012年上半期の離職率(5.71%)と、最新の値である2023年上半期の離職率(8.01%)を比較すると、離職率が実に2.30ポイント上昇していることがわかります。
もともと「若手人材の不足」により企業の採用意欲は旺盛。さらに入社して数年が経過し、ある程度の経験を積んだ若手がより良いキャリアを求めて転職に積極的になっている可能性も。
ミドル世代では、特に「40歳~44歳」の場合、2016年からコロナ禍までは離職率が足踏み状態に。しかし、その後は大幅な上昇に転じ、2023年上半期には3.80%でピークを形成。2012年上半期の離職率2.46%から、実に1.34ポイント上昇しています。
若手だけではなくミドル世代でも離職率が増えているのが最近のトレンドのようです。背景にあると考えられるのが、好調な業績を受け、事業拡大を狙う企業での管理職や専門職を担う人材の不足です。
不足する管理職や専門職の候補として、経験豊富なミドル世代に注目する企業も増え、ミドル世代の獲得競争が活発化。その結果、転職したいミドル世代とミドル世代を求める企業とのマッチングが急増したのかもしれません。
調査によれば、2024年も若手世代、ミドル世代を問わず依然として企業の採用意欲は旺盛で、2021年以前に比べて高い離職率は今後も続きそうです。
調査概要
調査名:転職を主目的とした離職動向
調査主体:Indeed Japan株式会社(Indeed Hiring Lab)
対象期間:2012年(1月〜6月)〜2023年(1月〜6月)
調査対象:厚生労働省「雇用動向調査」