③ 米金利上昇リスク

アメリカの金利が上昇することも米ドル債券投資のリスクです。

米ドル債券に投資したあとに米国債の利回りが上昇すると、みんな米国債に投資して、相対的に持っている米ドル債券の魅力が薄れ、債券価格が下落するからです。また残存期間が長い債券ほど金利が上昇すると価格が大きく下落します。

 

上図のように残存期間10年程度の米ドル債券なら1%の金利上昇だとマイナス7%程度の価格下落が予想されますが、期間20 年だとマイナス14%、期間30年だとマイナス21%と残存期間が長い債券ほど金利の影響を大きく受けることになります。

ただ、金利が上昇して一時的に価格が下落しても最後は価格100で返ってくるので、残存期間が終わるまで債券を持っている前提ならそこまで金利上昇リスクを気にする必要はないでしょう。

金利上昇リスクを気にしたほうがいいのは、債券を残存期間の途中で売却する可能性がある人です。米ドル債券を換金したいときに金利が上昇していて価格が下落していると、売却したときに価格の売却損が出る可能性があるからです。

以上が米ドル債券の3大投資リスクです。

米ドル債券に投資される富裕層は安全な運用を求めている方が多いです。

米ドル債券のメリットだけではなくリスクもしっかり理解し、対策を考えた上で投資を実行しましょう。

●第3回は【「圧倒的人気は米国債」だが…ソフトバンク、三井住友FGなど気になる“国債超え債券”の利回りは?】です。(9月5日に配信予定)

富裕層のための米ドル債券投資戦略

 

著書 世古口俊介

出版社 総合法令出版

定価 1,650円(税込)