――ありがとうございます。最後に、直近DC向けにどのような商品が設定されたか教えていただけますか?

2024年4月~6月では3本のファンドが設定されました(図7)。

図7 新規設定ファンド 拡大図表示

※ 公社債投信等を除くDCファンド(専用・共用)、出所:三菱アセット・ブレインズ

※ 公社債投信等を除くDCファンド(専用・共用) 出所:三菱アセット・ブレインズ

直近で設定されたのは、「野村全世界株式インデックスファンド(確定拠出年金向け)」です。MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動するインデックスファンドです。同指数に連動するタイプのインデックスファンドは、金融機関の窓販等の公販市場では、「eMAXISSlim全世界株式(オールカントリー)」を始め、急速に残高が拡大しているタイプのインデックスファンドであり、今後DCの世界でも広がりを見せるか注目が集まります。

5月には「DCマイセレクションS50(2024-2026リスク抑制型)」が設定されました。

こちらのファンドは設定直後には、株式比率は10%以下、国内債券比率は70%超とするリスクを抑制した運用を行いますが、その後2026年に向けて段階的に株式比率を引き上げていくファンドです。2027年以降は株式比率を50%まで引き上げ、その後は資産配分を固定して運用を行います。

想定顧客としては、最初はリスクを抑えながら様子を見つつ運用したい、投資初心者などに適したファンドと言えるかもしれません。

ターゲットデートファンドとして、「DCニッセイターゲットデートファンド2070」も設定されました。当ファンドは目標年の2070年に向けて段階的にリスクを低減させ、2070年には資産を売却し、短期金融資産による安定的な運用を行います。特徴としては、国内株式、国内債券、先進国株式、先進国債券の伝統的4資産に加え、Jリートとグローバルリートの計6資産が対象となっていることが挙げられます。

2024年4月~6月の新規設定ファンドは以上3本でした。今四半期はそれぞれ特徴の異なるファンドが設定されました。これらのファンドが今後加入者にどのように受け止められていくか注目されます。

以上、パフォーマンス動向、資金流出入動向、新規設定ファンド動向についてお話しました。