“魔法の言葉”にだまされて大金を振り込んでしまう
ただ、最初はお金がかかるとのことでした。まず、投資も兼ねた外貨建ての一時払い終身保険の保険料が200万円、さらに私募債の最低引受額が300万円。私にとっては大金です。
それでも、金井さんから「投資って結局は情報。本当に有利な情報はアンテナの高い人のところにしか入ってこないの。結菜ちゃんは投資のこと一生懸命勉強しているし、うちの私募債がどれだけお得かっていうのも分かってくれると思うから、こうして話をしてるのよ」などと言われると、次第に「これはすごいチャンスだ」と思えてきました。
念のため、金井さんがトイレに立った隙にスマホで金井さんの会社のアドレスを検索すると、金井さんが言った通りの業務内容が記載されていて、30代後半くらいのイケメン社長が激アツなメッセージを寄せていたので、これは信じてもいいのかなと思ったのです。
翌週早々には保険の正式な提案書と私募債の案内を受け取り、1週間後に契約に至りました。貯金全部をかき集めても300万円に届かなかったので、残りは両親から借りることにしました。両親にも事情を話し、「5年後には利息を付けて返すから」と頼むと、「銀行に預けるよりよっぽどお得じゃない!」と喜んで貸してくれました。
しかし、500万円を振り込んだ後、金井さんからの連絡がぷつりと途絶えたのです。最初は忙しいのだろうと思っていました。それが、やがて電話が通じなくなり、ネットニュースで20代の男性が私と同じようなシチュエーションで詐欺被害にあったという記事を読むに至って、「これはマズイかも」と思いました。