ETFは証券取引所に上場している投資信託

ETFは「Exchange Traded Funds」の略で、日本語では「上場投資信託」と呼ばれます。「投資信託」と名がつくことからわかるように、ETFは投資信託の一種ですが大きな違いは上場しているか否かです。

一般的な投資信託と異なり証券取引所に上場しているのが最大の特徴で、株式と同じように証券会社を通じて売買することができます。一方、投資信託のように銀行や郵便局での取り扱いはありません。

投資信託と同様、ETFにも日経平均株価やTOPIX、S&P500など特定の指数に連動した運用成果を目指すインデックス(指数連動)型と、指数を連動目標とはしないアクティブ運用型の2種類があります。その特徴を生かしてアクティブ型では「高配当」「メディカル」など特定のテーマに沿った銘柄で運用する商品も充実しています。

なお、ETFには国内ETFと海外ETFがあります。それぞれ商品数は充実の一途にあり、例えば国内ETFの銘柄数は下表のとおり右肩上がりで増えており、2024年6月下旬時点でその数は328銘柄に上ります。多くの選択肢が用意されており、手軽に分散投資を始められることから注目を集めている金融商品といえるでしょう。

 図表① ETF銘柄数推移グラフ

出所:日本取引所グループより編集部作成

中国株やインド株、金や原油などに投資できる銘柄も

ETFは複数の銘柄が組み入れられて運用されており、1つのETFを持つことで複数の銘柄に分散投資ができます。投資信託と同じく指数連動型のETFも多くあり、運用内容や値動きが分かりやすいのはメリットです。

他方、中国やインドの株式、金や原油など個人ではアクセスしづらい資産に投資できる銘柄もあり、豊富な投資先が用意されているのも魅力です。組入対象資産の値動きの2倍変動するよう設計されたレバレッジ型や、逆の方向に変動するようなインバース型など、珍しいタイプのものもあります。

取引所に上場していることから、株式のようにリアルタイムで売買できるのも、ETFならではの特徴。国内ETFの場合、取引時間中は海外資産を組み入れた銘柄であっても日本時間に取引することが可能です。相場を見ながら成行・指値注文を出すことができるため希望の価格で売買でき、相場の急変時に迅速に対応することも。

投資信託は金融機関によって取り扱う商品が異なりますが、ETFは上場しているため、証券会社であれば基本的にどの国内ETFでも売買することができます。これらは、投資信託にはないメリットといえるでしょう。なお、海外ETFは証券会社によって取扱銘柄が異なります。

投資信託と同じく、ETFも持っている間に「信託報酬」というコストが発生しますが、ETFの信託報酬は投資信託に比べて低く設定されているのが一般的です。

投資信託は運用会社・販売会社・受託銀行がそれぞれ受け取るのに対して、ETFは運用会社・受託銀行のみが信託報酬を受け取る仕組みで、販売会社に支払うコストがかからないのが理由とされています。