配当金は、会社の利益の一部を、株式を買ってくれた投資家への利益還元として配ります。さて、自身が持っている株式の配当金をその都度再投資に回した場合、どれくらいの期間で資産価値が回復するでしょうか。

配当金の再投資で回復期間が短縮

配当なしの場合は、元に戻るまでに25年かかりましたよね。
それに対して、配当金をもらうたびにそれを再投資していけば、回復するまでの期間が15年5カ月に短縮されます。「それでも長いよ!」と思うかもしれませんが、かなりの短縮であることは間違いありません。

短縮はされましたが、仮に、65歳で90%の価値の下落を経験して、配当金を再投資していったとしても、資産価値が元に戻るのは80歳5カ月です。その間、お金を引き出したりすれば、その分だけ回復が遅れることになります。
 
80歳5カ月まで元本割れの状態が続いていることに、あなたは耐えられますか?
配当金のおかげで回復する期間が15年ほどに短縮できたとしても、やはりこのリスクは許容できないという人が多いのではないでしょうか。
というわけで、S&P500やオールカントリーなどの株式だけで運用する投資信託のリスクについてよくわかっていただけたのではないかと思います。

●第3回は【大暴落からスピード回復する賢明な選択肢。「2大投資対象」でリスクコントール】で、株式投資以外の選択肢について解説します(6月21日公開予定です)。

50歳ですが、いまさらNISA始めてもいいですか? 

 

鬼塚 祐一 著

出版社 フォレスト出版

定価 1,870円(税込)