その後、回復するのにかかった期間はなんと25年。株式だけに投資するのはかなりハイリスクなのです。

もし、あなたが65歳のときに、世界大恐慌並の大暴落が起きたとしたら、それが元の価格に回復するころには、あなたは90歳になっているかもしれません。
これは、とんでもなく長い期間ですし、その間、経済的に生き延びることができるかというと、もちろん人にもよりますが、かなり難しいのではないでしょうか。

「配当金」とは何か?

ここで、そもそも株式とは何かというお話をしたいと思います。

会社はなぜ株式を発行するのでしょうか?

会社がやっているのはビジネスです。それも恒常的に利益を上げ続けるビジネスを続けることを目指しています。ビジネスには当然、資金が必要ですので、会社は資金を用意しないといけないのですが、自社だけで用意できる資金には限りがあります。

そこで、資金を集めるために、株式を発行するのです。
投資家は、将来性のある会社や実績のある会社の株式を買うことで、その会社に資金を提供していることになります(株式は、その会社にお金を出してあげた証拠であるとも言えます)。

そして、株式を買ってもらった会社はその資金を使って、新しいアイデアを実現するための研究開発をしたり、製品化のための機械を導入したり、新しい工場を建設したり、広告費にお金をかけたり、輸送費に使ったりすることで、自社のビジネスを発展させて株主たちの期待に応えようとするわけです。

会社がビジネスをしてうまくいった場合、その会社の売上が上がります。業績が上がっていけば、その会社が発行している株式の価値も上がります。投資家たちは、そうなることを期待して、株式を買うことでその会社に資金を提供しているというわけです。

投資家たちからすれば、じぶんたちが買った株式の価格が上がれば、じぶんたちの資産価値も上がるわけですから、会社を応援したご褒美をもらえることになります。しかし、会社の業績には浮き沈みがありますし、業績が上がれば必ず株価も上がるというものではありません。

なぜなら、株価というものは、投資家たちの心理の反映だからです。多数の投資家たちがその会社の株が上がると思えば株価は上がりますし、そうでないなら逆に下がってしまいます。そのため会社としての利益は上がっているのに株価はあまり上がらないという現象が起きることもあるのです。

そこで、会社の利益が出たときに、お金を出してくれた投資家たちへの「お礼」として「配当金」というものが存在しているのです。