老後資金対策で“ベター”なのは全世界株式への分散投資

ただ、いささかフィナシー的な言い方をするならば、20年後の老後資金4000万円問題が現実化した時に備えておく必要はあるのかも知れません。そして、その対策法として今の私たちが最も取り得るベターな手段は、やはり資産運用になるのだと思います。

ただ残念なことに、預貯金の利率はまだ相当低く、近い将来、物価上昇率を上回る利率になるかどうかは未知数です。預貯金では物価上昇分をカバーできないとなれば、やはりインフレリスクをヘッジしやすいものに資金をシフトさせる必要があるでしょう。そのひとつは株式ですが、株式への直接投資はハードルが高いのであれば、次善の策として投資信託の活用が考えられます。

とはいえ、インデックスにするかアクティブにするか、日本株ファンドにするか海外株ファンドにするか、さまざまな選択肢があるなかで、何を選べば良いのか悩んでしまう人もいると思います。そういう時、ベターな選択肢として考えられるのが、いわゆるオール・カントリーのような、全世界の株式に分散投資するインデックスファンドなのです。

JPモルガンアセットマネジメントが毎年公表している「超長期市場予測」の2024年版によると、世界株式(為替ヘッジなし)の期待リターンは6.89%ですから、その通りであれば、インフレリスクを十分にヘッジできる計算になります。