3位(同率)インベスコ 世界ブロックチェーン株式ファンド(愛称:世カエル)

インベスコ・アセット・マネジメント

ファンドの特徴
・ブロックチェーン関連銘柄に特化して投資
・初期段階から投資し、成長をとらえることを目指す

「仮想通貨で注目されたブロックチェーンだが、これからのデジタル社会には欠かせないものとなる可能性を秘めている。サテライト商品としてそろえても面白いファンド」(50代・銀行) 「ブロックチェーンの活用法には、仮想通貨だけではない多様性があると思う。また、通信回線が5Gに切り替わっていくと、さらにセキュリティ面で注目されそう」(30代・銀行)

仮想通貨以外にも、物流や保険など多様な業界での活用が期待されるというブロックチェーン。安定的な値動きで中長期的な資産の成長を目指す「コア」に対し、タイミングを見計らって値上がりを積極的に狙う「サテライト」の位置付けで着目する向きが多かった。余剰資金で楽しみながら投資をするニーズを持つ人も多い、対面の金融機関で取引する顧客の特徴が窺える傾向だ。

3位(同率)フィデリティ・米国株式ファンド

フィデリティ投信

ファンドの特徴
・単独運用者による米国最大のアクティブファンドと同じ戦略で運用
・綿密な銘柄選定により高成長銘柄を発掘
・S&P500種指数を上回る過去実績を持つ

「フィデリティは他の運用会社に比べ良好なパフォーマンスの商品が多く、米国株式ファンドの中でも、そのブランド力に魅力を感じた」(30代・銀行) 「分配や為替ヘッジなどでコースが分かれており、自分に合ったものを選べるのも魅力的」(30代・証券) 「長期的な運用実績を元としており、分配や為替ヘッジなど選択肢も多い」(40代・銀行)

米国株式資産のアクティブファンド。運用者自らが年に1200社の企業と面談し、「業績が5年で2倍になる」と期待される高成長銘柄を選定するという特徴や、同様戦略の持つ米国本国での50年以上の運用実績、コースが4つある使い勝手などを評価する意見が目立った。

2位ファイン・ブレンド

日興アセットマネジメント

ファンドの特徴
・中長期的収益が期待できる、日本国債・海外債券/株式・不動産投信・金に投資
・5つの資産を基準価額への影響度が均等になるように分散投資
・安定と収益確保・中長期的な信託財産の成長を目指す

「6年以上にわたってバランスファンドとして確固たる地位を築いている点に信頼が置ける」(50代・銀行) 「バランスファンドの中でも、影響度が均一になるよう分散するという切り口に興味を持った」(40代・銀行) 「日興アセットはテーマ型ファンドの印象が強いが、運用力があると思ったファンド」(50代・銀行)

株式・債券など、複数資産を組み合わせるバランスファンドに類する投資信託。資産の比率の決定方法がGDP・時価総額比率や均等配分でなく、基準価額への影響度で決定されているという特色や、安定的な値動きによる信頼感が支持を集めた。5位の「JPMベスト・インカム」同様、中長期的に安定した成長を目指す点が顧客のニーズに合うといった意見も多かった。

1位One国際分散投資戦略ファンド

アセットマネジメントOne

ファンドの特徴
・機関投資家の運用にも活用されている戦略により運用
・25の資産に投資し、同一戦略の他ファンドに上回る分散投資効果を追求
・目標リスク2、4、6、8%の4コース。保有中のスイッチング(乗り換え)も可能

「許容いただけるリスク度合いに対して、ダイレクトに提案ができる商品」(30代・銀行) 「4つに分けられた目標リスクが分かりやすい。初心者も、低リスクのものを選ぶことで投資しやすいのではないか」(60代・証券会社) 「目標リスクを選択、スイッチングできるので、アフターフォローがやりやすい」(30代・銀行)

分散効果の追求を謡うバランスファンド。タイプは4種あるが、目標リスク(変動幅)がそのままタイプ名となっている。投資信託選定の際、重要な判断基準となる「許容リスク」(どの程度の価格変動になら耐えられるか)から選べ、購入したあとで他のコースへの乗り換えが可能な点が、提案時はもとより購入後の長期的なフォローにも活用しやすいとの声が集まった。

銀行や証券会社、IFAなどの対面取引では、「すでに持っているファンドとの組み合わせも考えてほしい」「取り崩しと資産形成を平行してできるファンドはないか」「インデックスファンドでは物足りない」といった多様な要望に対応し、購入した後のサポートも実施する。

今後の成長が期待されるアジア地域やブロックチェーン関連ファンドがランクインする一方で、安定的に中長期での成長を狙うバランスファンドや、コースが複数用意されているファンドも見られ、提案時の選択肢や、アフターフォローの際の「顧客の納得感」につながる商品設計である点も関心を集める大きな要素となっているようだ。

こうした「プロの着眼点」は、裏を返せば、対面取引の顧客ニーズの一側面を反映するものでもあるだろう。人気ランキングとは別の観点から「投資家がいま、何を求めているか」を探るヒントになるかもしれない。