「FIRE後の生活」を考える

FIREとひとことで言っても、ゴールは1つではありません。

積立額や積立期間を長く取り、資産収入だけで生活するフルFIREを目指す。資産の積み上げはそこそこのレベルにして、“資産収入と労働収入のハイブリッド生活”であるサイドFIREを目指す。どちらか一方が絶対的な正解でもないし、サイドFIREにおける「資産収入と労働収入の割合をどうするか」についても明確な答えはありません。

今の生活からはイメージしづらく、答えのない問いに対して解を得るために、ぜひFIRE後の生活を考えてみてほしいのです。

例えばサイドFIREで、資産収入:労働収入=1:1の割合で生活すると想定します。その場合、仕事で得る収入は今の半分(もしくはそれ以下)でも良くなる……そう考えると、「今とは別の仕事をする」という選択肢が生まれます。

ごく単純に考えると、給料が半分になれば仕事量も半分になります。現在残業が多い仕事に就いている場合、給料が低くても残業ゼロの会社に転職する。週5日働いている方は、週2~3日の出勤でも良い会社に転職する。

他にも「給料は低いけど、心から楽しいと思える仕事(フリーランスを含む)」を見つけ、その分野で新しい人生を歩む、という選択肢も視野に入ります。

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余談ですが、私もサイドFIREを人生の目標としています。現在は本業の銀行員としての仕事と、作家・ライター業で生活していますが……いずれは資産収入を増やして独立し、“好きな時に、好きな場所で好きな仕事をする”ことを夢見ています。

このような人生の目標を持つことで、「サイドFIREするまで、本業ができる時間は限られている。本業は全力で取り組み、今しかできない本業での経験をたくさんしておこう!」と日々の仕事も前向きになれていると感じます。

新NISAでフルFIREまでは難しくても、「資産収入の柱を持ち、好きなキャリアを歩む」という目標を持つと、人生がより豊かになるかもしれません。

参考
・総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)」
・金融庁「資産運用シミュレーション