税優遇への意識の高さも影響

毎年8万~9万人の公務員が新規にiDeCo加入者になっており、継続的に増加しています。

これは、公務員のほうが税制メリットを実感しやすい、という理由が想定されます。実際に、iDeCoのメリットとして「掛金が所得控除される」を挙げた公務員は41.5%と、全体平均の27.1%を大きく上回っています。さらに、制度を「よく知っている」割合も公務員は40.6%と高く、全体平均の20.3%の倍となっています(※3)

※3 投資信託協会「2022年投資信託に関するアンケート調査(NISA、iDeCo等に関する調査)」2023年2月

老後資金に470万円の差! 見逃せない12月の制度改正

2024年12月には、iDeCoの拠出限度額が変更になります。現在の拠出限度額は企業年金制度の有無等により1.2万円、2万円、2.3万円の3つに分かれていますが、1.2万円がなくなり、2万円と2.3万円の2種類となります。具体的には、DB制度の加入者(※4)と公務員等の共済制度の組合員の拠出限度額が1.2万円から2万円に引き上げられます(いずれも毎月拠出の金額)。

公務員のiDeCo掛金の平均は11,000円を超えており、加入者の多くが拠出限度額の1.2万円を選択している可能性が高いです。拠出限度額が引き上げられることで、掛金を増やす人も出ると考えられます。

拠出限度額の違いによる効果を考えてみましょう(税・手数料等は考慮していません)。

【前提:運用期間30年 運用利回り3%】
毎月の掛金 1.2万円の場合→706万円の積み上がり
毎月の掛金 2万円の場合→1176万円の積み上がり

毎月の掛金を8,000円増やして長期運用をすることで、30年後の資産が470万円も増えることになります。この効果は大きいといえます。さらに、iDeCoの最大のメリットである所得控除による節税効果も大きくなります。

【前提:課税所得300万円 拠出期間30年】
毎月の掛金 1.2万円の場合→87万円の節税効果
毎月の掛金 2万円の場合→146万円の節税効果

※4 DB制度の加入者の場 合、「他制度掛金相当額」が大きい規約では、iDeCoの掛金拠出ができない、1.2万円よりも低くなることも想定されます(他制度掛金相当額:DCの拠出限度額を算出する際に、DC以外の企業年金制度の仮想掛金額として設定するもの)。