2年ほど前、ブロックチェーン上で取引されるNFTアートが話題になりました。

NFTアートとは、コンピューターを用いて制作されたイラスト、絵画、音楽、などのことで、いずれもデジタル空間に存在しています。つまりデジタルアートの一種と考えてもらって良いでしょう。

NFTアートの特徴は「希少性」、130万ドルで購入された作品も

かつてのデジタルアートは、簡単に複製や改ざんができることから、希少性に根差した価値の上昇が期待できませんでした。

しかしNFTアートは、複製や改ざんができないブロックチェーンの技術を用いてつくられるため、複製や改ざんが不可能であり、唯一性を証明でき、作成者や所有者を記録できます。

もちろん「Aさんが所有しているNFTアートを、Bさんに譲渡する」ということも可能です。そして、その取引にかかる決済は、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産が用いられます。

なおNFTとは「Non-Fungible Token」の略称で、日本では「非代替性トークン」などと翻訳されます。非代替性、つまり「代替が効かないもの」という意味です。

この希少性という点に反応した人々が大勢いました。2021年の大手オークションハウスのクリスティーズで競売にかけられたデジタル画像には、当時の円レートで約75億円もの高値が付けられたのです。

また、米国の人気歌手、ジャスティン・ビーバーが2022年1月に購入した「サルの絵」には当時、130万ドルの値が付いていました。当時のドル/円は1ドル=113円前後だったので、邦貨換算すると1億4690万円になります。