先般、2023年第3四半期の資金循環統計(速報)が発表されました。それによると、2023年9月末の個人金融資産の総額は2121兆円。このうち現金・預金の総額は1113兆円で、全体に占める比率は52.5%と、相変わらず過半数を占めていることが分かりました。2024年1月からスタートする新NISAによって、この比率に変動が生じるのかどうなのか、気になるところです。

家計金融資産総額「2000兆円」というデータへの疑問

ところで、この2121兆円に関して興味深いレポートがありました。12月21日にリリースされたもので、「家計金融資産の日米比較」というものです。内容としては、日米の家計金融資産を比較しながら、なぜ日本の家計金融資産は現金・預金に偏在しているのかを検証したものとなっています。

しかし、それ以上に興味深かったのは、このレポートの最終ページにあった「補足」の記事でした。それによると、日本の家計金融資産の総額は2000兆円と言われているものの、それは本当なのか、という疑問を呈しているのです。

このレポートでは「世帯主の年齢階級別家計金融資産」の額がグラフで表示されています。35歳未満の774万世帯、35歳以上44歳までの734万世帯、45歳以上54歳までの939万世帯、55歳以上64歳までの840万世帯、65歳以上74歳までの999万世帯、そして75歳以上の1028万世帯において、それぞれの保有する平均的な金融資産の額をベースにして、全体の家計金融資産を合計すると、700兆円程度にしかならないということです。

そうであるにも関わらず、なぜ資金循環統計をベースにした家計金融資産の総額では、2121兆円という数字が出ているのか、この両者の乖離(かいり)はどういうことなのか、ということです。