ブリヂストン株式が好調です。2019年から2020年にかけて見られた下落は底打ちし、2021年以降はおおむね右肩上がりで上昇しています。足元で進む業績の改善が投資家の買いを誘っているようです。
【ブリヂストンの業績】
売上高 | 純利益 | |
2021年12月期 | 3兆2461億円 | 3079億円 |
2022年12月期 | 4兆1110億円 | 3055億円 |
2023年12月期(予想) | 4兆1500億円 | 非開示 |
※2023年12月期(予想)は同第3四半期時点における同社の予想
※非継続事業(米国建築資材、防振ゴム、化成品ソリューション)を除く
出所:ブリヂストン 決算短信
【ブリヂストンの株価(月足、2018年11月~2023年11月)】
ブリヂストンは投資家に人気がある銘柄の一つです。2023年5月には市場評価性(PBR基準)の高さから「JPXプライム150指数」にも選ばれました。同株式に注目する人は少なくないでしょう。
業績回復の背景にはリストラと高単価戦略があるとみられます。ブリヂストンはどのような施策を行ったのでしょうか。それぞれ概要を紹介します。
タイヤ世界首位級 九州生まれの大グローバル企業
ブリヂストンはゴムの世界的大手です。乗用車やバス・トラック向けのタイヤ、鉱山車両や航空機といった特殊車両タイヤが主力商品です。タイヤ以外では建築用の免震ゴムなど、ゴム以外では自転車やゴルフ用品なども生産しています。また『タイヤ館』や『コクピット』のブランドで小売事業も手掛けています。
ブリヂストンは1931年に福岡県久留米市に誕生しました(当時はブリッヂストンタイヤ)。社名の由来は創業者の石橋正二郎(いしばし・しょうじろう)氏の姓を英語風に読み替えたものです。当時のタイヤは外国製が主流だったこと、当初から海外への輸出を想定していたことから英語風の商号を採用しました。
社名に込められた願いはかない、今やブリヂストンはグローバルトップの地位を占めています。米ファイアストン買収を足掛かりに海外進出を強め、現在は150ヵ国以上で事業を展開しています。タイヤ売上高は世界2位(2021年度)、売上高に占める海外の比率は75%に達しています(2022年度)。
【世界のタイヤ市場シェア上位5社(2021年度)】
・ミシュラン:14.8%
・ブリヂストン:12.5%
・グッドイヤー:8.4%
・コンチネンタル:6.8%
・住友ゴム:4.1%
※売上高ベース
【地域別売上高(2022年度)】