第一生命経済研究所の鄭美沙氏が執筆した「金融リテラシーの男女差と女性間の違い」によると、金融リテラシーを「複利」、「インフレ」、「分散投資」という3つの設問で測ったところ、すべての設問で男性の正答率が高く、女性については「わからない」とする回答が多かったそうです。

なぜ、そのような結果になったのでしょうか。もちろん個人差の問題もあるので、女性で男性よりも高い金融リテラシーを持っている方はいらっしゃいますし、どのようなサンプルの取り方をしたのかによって数字は変わってくるでしょうから、一概に男性の方が女性に比べて金融リテラシーが高いとは決めつけられません。あくまでもサンプル全体の平均的な像であると考えるくらいで良いでしょう。

金融リテラシーが問われる3つの設問

では、「複利」、「インフレ」、「分散投資」の3つについて、どのような設問が設けられたのでしょうか。設問の内容は次のものでした。

(1)複利に関する設問
100万円を銀行預金(年利子率2%)に預け、5年間、入出金をせずに同条件で運用したら、5年後にはいくら受け取れると思いますか。

(2)インフレに関する設問
インフレ率が2%で、普通預金口座であなたが受け取る利息が1%なら、1年後にこの口座のお金を使ってどれくらいの物を購入することができると思いますか。

(3)分散投資に関する設問
1社の株を買うことは、通常、株式投資信託(何社かの株式に投資する金融商品)を買うよりも安定した投資収益を得られると思いますか。

 ちなみに(1)に関しては、110万円よりも多いか少ないか、(2)については、今日より多いものが買えるのか、それとも今日より少ないものしか買えないのか、ということで回答が求められています。