TOBで上場廃止に 東芝は再建できるか

経営危機後の東芝では、外資系ファンドによる買収案や会社を分割して企業価値を高める案など、さまざまな再建案が模索されてきました。しかしいずれも実現には至らず、東芝は2022年4月に再建案を公募します。

公募には投資ファンドなど複数の陣営が応募しますが、最終的に国内企業連合による出資をまとめた日本産業パートナーズの案が採用されました。株式公開買い付け(TOB)により約2兆円で東芝株式の3分の2以上を取得する計画です。

株式公開買い付けは2023年8月から始まり、およそ8割が応募し成立しました。東芝は上場廃止となり、応募しなかった個人株主もスクイーズアウト(強制買い取り)によって現金化される見込みです。

東芝は増資でアクティビスト(物言う株主)を自ら招き入れており、経営陣との対立などから経営の混乱がたびたび指摘されてきました。日本産業パートナーズは、非上場化後は安定株主の下で経営再建を目指すとしています。

東芝はどれくらいで復活できるのでしょうか。報道によると、日本産業パートナーズは5年程度での再上場を検討しているとも伝えられています。しかし稼ぎ柱を失った東芝の再建は簡単ではないでしょう。日本を代表する大企業の行方は今後も注目を集めそうです。

文/若山卓也(わかやまFPサービス)