父のエンディングノートを発見

父のお骨をもって父の生家に帰り、少しホッとしたところで見回すと、きれいにはなっていますが、何しろ古い家でモノがたくさんあります。誰が住む予定もないので、いつか片付けないといけません。立派な仏壇や代々の親族の遺影もあり、池には鯉まで泳いでいます。これらをどうしてよいか見当もつきません。

とりあえず、通帳などを探そうと父の机の引き出しを開けてみると、もともと事務仕事をしていた父らしくきちんと整理がされており、すぐに見つけることができました。さらに違う引き出しを開けると、そこにはエンディングノートが残されていました。どうやらがんが見つかった際、書き記したようです。昔の思い出から、治療や葬儀の希望まで、きちんと書き込まれていました。

また、実は葬儀の段取りも考えていたようで、友人の連絡先や葬儀社との契約書がありました。結構多くの人とのお付き合いがあり、葬儀もかなり立派なプランを契約していたようです。急なことでもあり、父がこんなに備えていることを文也さんは想像もしていなかったので、自分なりの方法で父を見送りましたが、結局は希望通りにしてあげられなかったことが分かってがっくりしてしまいました。がんの治療についても、父の思いが十分に伝わったのかどうか定かではありません。

ただ、読み進めると文也さんが生まれたときのことも書いてあり、父が自分のことを思ってくれていたことを知って涙したのでした。

●葬儀を終え、ホッとしたのもつかの間。エンディングノートにも書かれていなかった驚きの事実が次々と明らかに……。後編(父の他界後、50代男性が知った「驚きの事実」)で、今回の文也さんのケースから学ぶべき教訓とともにお届けします。