もはや身近な存在ではなくなっている
すでにお気づきの方もいらっしゃると思いますが、特にメガバンクに口座を持っていらっしゃる人たちからすると、銀行が昔ほど身近な存在ではなくなってきたのかもしれません。
今から30年くらい前を振り返ると、どの駅前にも銀行の有人店舗があり、どの銀行に口座を持っていたとしても、ほぼ同一のサービスを受けることができました。そして銀行は、必要なお金をATMで引き出したり、あるいは店内窓口で少し大きめのお金を動かす依頼をしたりするなど、日常生活に必要なお金の出し入れに欠くことのできない、非常に身近な存在だったような気がします。
しかし、今はだいぶ様相が変わってきました。すでにメガバンクの業務は、小口の預金を集めることではありませんし、恐らく少額の取引しかしない個人は、顧客として相手にしなくなるのだと思います。
口座維持手数料の徴収は何のため?
すでにメガバンクの多くは、一定条件を満たさない顧客に対しては口座維持手数料を求めるようになりましたし、紙の通帳を発行する場合には、通帳利用料・発行料が取られるケースあります。
中でも口座維持手数料の徴収は、手数料を徴収することによって、小口の顧客をインターネット取引に置き換えるか、あるいは小口顧客を相手にする銀行への口座移転を狙ったものです。
多くのメガバンクは、ある程度の資産を保有する個人向け資産運用コンサルティングサービスや国際業務、法人業務、デジタル金融領域を主軸にし、小口顧客に対するサービスからは、徐々に撤退していくものと考えられます。