久々に会った叔母は、絵美さんと母親を間違えることがあるなど、認知症であることがうかがわれましたが、小さな頃の思い出についてはよく覚えていてくれました。施設の人とも話し、絵美さんの余裕があるときにはできる限りの支援はするが、基本的には介護保険やその他のサービスを活用してほしいことを伝えました。
幸い叔母にはそれなりの蓄えはあるようで、施設が通帳を預かって必要な支出は行っており、記録をいつでも見られるとのことでした。
気がかりなのは、どうも叔母の自宅が施設入所時からそのまま空き家になっているらしいことです。記録によると中の片づけはある程度してあるようですが、もう戻る予定もなく、庭の管理などどうなっているか分かりません。叔母もそのことは分かっていて、ずっと心配していると話していました。
今度はその場所を見に行って、売却の相談などをしたほうがいいかもしれないこと、売却する場合は叔母が成年後見制度を利用できるように、叔母か絵美さんが申し立てる必要があることも施設の職員から聞きました。面倒だなと思いつつも、そういえば自分も独り身で、持ち家があることを思い出し、自分が叔母の状態になったら誰が同じことをしてくれるのか、絵美さんは自分のことが心配になってきました。