●疎遠な親族の世話は誰がする?
※前半記事【“天涯孤独”の叔母が認知症に…唯一の親族が「面倒」と感じたある役割】からの続き

意外と広い「親族」の範囲

「親族」がどこまでの範囲なのかを知っている人は少ないのではないでしょうか。民法によると、法律上の親族は、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族(配偶者の血族と自分の血族の配偶者)を指します。6親等内の血族というと、親のいとこ(またいとこ)や、いとこの孫やきょうだいの玄孫(やしゃご)まで含まれる、相当広い範囲となります。

本人が亡くなった後の法定相続の範囲は、配偶者と、第一順位(子、またはその子や孫)、第二順位(親、祖父母)、第三順位(兄弟姉妹やその子)と決まっています。相続人の確認のためには、亡くなった本人(被相続人)の生まれたときから亡くなるまでの連続した戸籍謄本が必要ですし、第一順位・第二順位の相続人がいなければ、父母の生まれたときからの戸籍謄本等が必要になります。相続人が全て相続を放棄したり、いないことが分かったりすると、相続人不存在となり、相続財産自体を法人として家庭裁判所がそれを管理する「相続財産管理人」を選任します。

財産の相続人とは別に、遺骨を引き取り、墓地の管理や法要を実施する人は「祭祀(さいし)承継者」と呼ばれており、地域の慣習に従って定められます。そのような人がおらず、遺体の埋葬や火葬を行う者がないとき、または判明しないときは、本人の死亡地の市区町村が火葬を行います。

普段意識する機会は少ないですが、実は、自分自身が多くの人の「親族」である可能性があるのです。