「親族」に期待されること
相続や火葬については亡くなった後のことですが、本人が生きている間にも親族のサポートが必要になる場面は多くあります。絵美さんの叔母のように、やや判断能力が弱ってきている人の場合、成年後見制度を利用するための申し立ては、本人や配偶者のほか4親等内の親族に認められます。また、施設で生活する中で、サービス計画の作成や変更について施設が同意を求めたいこともあるでしょう。
一番大変なのが入院です。入院になれば病院側の求める手続き(治療の説明への同席や、延命措置の判断、保証人になること)に対応する人を求められますし、そういった手続きがスムーズに行えないと、施設も病院も困ってしまうのです。亡くなった後の支払いや持ち物の整理だけでなく、そういったことも支援してほしいというのが施設側の期待です。しかし、特に疎遠な親族の場合は、このような支援を提供しない、提供できないことも多くあるようです。
将来困らないために
母親の出身地は、絵美さんの住んでいるところから新幹線と電車で3時間ほどかかります。絵美さんはこれを機に一度叔母に面会に行くことにしました。もちろん、場合によっては支援できないことは事前に施設に伝えました。