次の成長事業は教育? 関連企業を相次いで子会社化
マネックスグループは、「マネックス証券」を中核に国内外で金融商品の取引サービスを展開する企業です。商材は異なるとはいえ、暗号資産への参入は意外とはいえないかもしれません。
【セグメント業績(2023年3月期)】
売上高 | セグメント利益 | |
日本 | 326.35億円 | 57.81億円 |
米国 | 392.76億円 | -2.27億円 |
クリプトアセット事業 | 75.83億円 | -8.76億円 |
アジア・パシフィック | 11.03億円 | -1.58億円 |
投資事業 | 7.05億円 | 2.16億円 |
出所:マネックスグループ 決算短信
しかし、教育事業への参入を予想した人は少なかったのではないでしょうか。マネックスグループは2021年、「STEAM教育」(※)に取り組むヴィリングを完全子会社化して教育事業へ新規参入すると、翌年には英語教育を手掛けるセランを買収しました。
※STEAM教育:Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の 5 つの領域を横断的に学習する教育理念。
マネックスは2021年4月、企業理念を「個人の自己実現を可能にし、生涯バランスシートを最良化すること」へと改定しています。従来は金融商品や暗号資産などプロダクトごとのビジョンを掲げていましたが、新しい企業理念からはより広い領域でサービスを展開する姿勢が読み取れます。教育事業への参入は、この実現を目指したものとみられます。
上述の2社の買収はどちらも業績に与える影響は小さいとしていることから、教育事業の収益への貢献は限定的でしょう。しかし、これまでにないサービスは生まれるかもしれません。マネックスがどのように教育にかかわっていくのか、要注目です。
文/若山卓也(わかやまFPサービス)