・ABEMAやウマ娘で躍進 サイバーエージェント買収の危機を救った楽天との浅からぬ関係
光通信の株価がV字回復の兆しを見せています。増配を発表した2022年8月から反転し、2021年からの下落分のおおむね半分程度を取り戻しました。2023年5月にはさらなる増配に加えて自社株買いも発表しており、このまま上昇が続くか注目されています。
【光通信の業績】
出所:光通信 決算短信
光通信は、“価値創造が推定されるわが国を代表する企業で構成される指数”をコンセプトに2023年7月から算出される「JPXプライム150指数」の構成銘柄に選ばれています。株式市場では有名な企業ですが、意外に知らない人も多いかもしれません。
光通信とはどのような企業なのでしょうか。同社の知名度を一気に押し上げたITバブル期の事件と現在の収益源について紹介します。
「寝かせ問題」で20営業日連続ストップ安を記録
光通信は1988年2月に設立されました。携帯電話端末を無料で配布し、通信キャリアから報奨金を受けるビジネスモデルが潮流をつかみ急拡大します。1997年には売上高が1000億円を突破、1999年9月には東証一部への上場も果たしました。当時はITバブルだったこともあり、同社株式は成長銘柄の一つとして注目され大きく値上がりします。
しかし2000年3月、光通信に「寝かせ(通信回線契約の水増し)」が発覚します。業績は一転して大幅に悪化したことから、株式市場で強く売り込まれました。あまりに売りが殺到したことから取引が成立せず、20営業日連続のストップ安を記録します。
ITバブルの崩壊を象徴するほどの急落を見せた光通信株式ですが、投資家はこのとき投資すべきだったのかもしれません。その後株価は大きく値上がりしており、配当金も2004年3月期に復配してから20期連続で支払い続けています。特に2012年3月期からは連続増配が続いており、当時に投資していれば値上がりだけでなく配当でも大きな利益を得ることができたでしょう。
【年間配当金の推移(2004年3月期~2024年3月期)】
出所:光通信 決算説明資料