上場企業500社に投資 光通信の投資会社としての顔

光通信は株式投資に積極的な企業としても有名です。2023年3月末時点で494社の上場株式に投資しており、その取得額は5326億円にも上りました。時価評価額は7592億円であることから、2266億円もの評価益を得ていることがわかります 。

直近ではシイエム・シイやナラサキ産業、東京日産コンピュータシステムなどへの投資が大量保有報告書から明らかになっており、報告義務発生日から考えるといずれも1~3割ほど値上がりしています(2023年7月4日終値時点)。

※大量保有報告書:発行済株式の5%超を保有した際に提出が義務付けられている書類

投資で大きな利益を得る光通信ですが、どのような基準で銘柄を選んでいるのでしょうか。同社によると、投資対象は株価ではなくビジネスを見て選定しているようです。特にキャッシュフローが良好なストック事業を展開している企業、また財務基盤が強固な安定した企業に投資するとしています。

これらに合致するなら流動性の低い銘柄も対象であり、また期間や保有比率にも制限を設けず投資しています。事実、単純な株式投資にとどまらず、連結子会社化に発展した企業も少なくありません。

光通信は近年、上場株式への投資を増やしています。投資戦略が奏功すれば、同社の業績はさらに飛躍するかもしれません。

【上場株式の投資簿価(取得額)の推移】
2021年3月末:3573億円
2022年3月末:4560億円
2023年3月末:5326億円

出所:光通信 決算説明資料

文/若山卓也(わかやまFPサービス)