M&A巧者の富士フイルムが次に投資するのはどこ?
富士フイルムはM&Aに積極的な企業としても知られます。同社が重視するヘルスケアや電子材料の領域で国内外の企業や事業を相次いで買収しており、今日の富士フイルムグループを構成しています。
【富士フイルムの主な買収実績】
出所:富士フイルムホールディングス プレスリリース
積極的なM&Aにもかかわらず、株主資本比率は60%を超えており、同社の財務状況に懸念は見られません。これは積み上げてきた巨額の利益剰余金のほか、2023年2月に実施した自己株式の消却が効いていると考えられます。
【株主資本の推移(2018~2023年3月期】
出所:富士フイルムホールディングス 決算短信
富士フイルムは2021年に公表した中期経営計画において、2023年度までの3年間で1.2兆円の成長投資を行うと表明しました。うち1兆円をヘルスケアや機能材などの重要領域へ投資するとしており、中期的な視点として医療用機器や半導体材料など、長期的視点ではAIやバイオ医薬品などをテーマに投資するようです。
文/若山卓也(わかやまFPサービス)