老後不安を抱える人も多い昨今。自由に使えるお金の多さだけが幸せとは言い切れませんが、お金がある分だけ人生の選択肢が増えていくのは紛れもない事実です。将来に対する不安と向き合うためにも、投資のリテラシーを学びながら資産設計する必要性は高まっているといえるでしょう。

話題の書籍『“こわい”がなくなる投資1年生の教科書』では、お金やキャリアに関する個人相談、ライフプラン等に関する企業研修に従事するファイナンシャルプランナー佐藤彰氏が、読者のレベルや志向にあわせてステップアップできる“マネトレ投資”について優しく解説。今回は本書の第1章「投資初心者はマネトレから始めるのが正解」の一部を特別に公開します。(全3回)

●第1回:それは免許もとらずに車に乗るようなもの…“いきなり投資”はNGといえる「これだけの理由」

※本稿は、佐藤彰著『“こわい”がなくなる投資1年生の教科書』(自由国民社)の一部を再編集したものです。

投資をリスクのレベルで3つに分ける

第1回のような失敗をしないためにまず覚えていただきたいのは、投資には実にさまざまな種類があるということです。

例えば、いま投資初心者に人気の高いiDeCoやつみたてNISA以外にも、株式投資、投資信託への投資、国債や社債などへの債券投資、FX(外国為替証拠金取引)、原油や大豆などの商品先物取引などのほか、金(GOLD)、アンティークコインやワイン、不動産といった実物資産への投資などもあります。

さらに、最近ではビットコインに代表される暗号資産(仮想通貨)への投資もあり、投資対象はますます増え続けています。

世間一般にはその多くの種類をごっちゃにして話されることが多く、それが投資を始める上での障害になっているというのが、投資に携わる仕事を15年間続けてきた中での私の実感でもあります。

そこで私が、これから投資を始めたいと考える皆さんにお勧めしているのが、個々の投資の種類はひとまず置いておき、「投資」を主にリスクのレベルによって3つのステージ(段階)に分けて考えていただくことです。これからその詳細について、説明していきます。