学びの投資とは?
1つ目は「学びの投資」です。学びの投資とは、「資産を増やす」本来の投資を行う前に「投資の入門」として実施する「投資の練習」のことです。
最近、学校教育でアクティブラーニングという手法が盛んだと聞きますが、それと似ています。学びの投資の「学び」とは、机の上での「お勉強」ではなく、自ら能動的に動いて学ぶ体験学習中心の「学び」を意味します。
投資は当然、「資産を増やす」ために行うわけです。しかし、投資を始めていきなり短期間で資産が増えるわけではありません。投資で失敗する原因も、「投資を始めてすぐに大儲けしたい」という欲求が背景にあると思います。
実際には、投資を始めてから次第にお金の知識や経験値が増えてきて、その後にお金が増え始めるというのが真っ当な過程になります。このお金の知識と経験値を、投資しながら増やしていくのが最初のステップです。お金を増やすのではなく、まずは「お金を学ぶ」ことを目的とした「投資」が必要です。
テレビやネットの世界では、株で大金を稼いだとか、ほったらかし投資で1億円といった話もよく話題になりますし、投資系ユーチューバーといった人々が人気を集めています。ただ、こういう人たちの中で本当に成功している人は投資を始めてすぐに儲けたというよりも、そこに至るまでにさまざまなことを勉強したり、失敗を繰り返しながらようやくそこまで到達しているのが実際の姿なのです。
中には、投資を始めていきなり大きく儲けたという話題も出てくることもありますが、実際にそういうケースはまれで、参考にはなりません。宝くじに当たるのと同じで運がよかっただけです。
自動車の運転だと免許があって初めて路上で運転できます。運転前に一定レベルに達することが強制されています。しかし、投資はフリーです。「免許」がなくても金融市場という「路上」で投資を始められます。これでは「事故」に遭っても文句はいえません。
ですから、自分から意識的に、「教習所で学ぶ期間」を設定することが必要になるのです。「学びの投資」を実践する期間は、自動車の教習所に通う期間があるのと同じイメージと考えてください。