キャラクターに物流 バンナムで育つ次の成長ドライバー

バンダイナムコは2022年4月に3カ年の中期経営計画を公表し、IP(知的財産)を軸とした戦略の強化を発表しました。『機動戦士ガンダム』や『アイドルマスター』など、同社が持つ多くのキャラクターコンテンツなどを、事業の域を超えて横断的に活用する戦略です。計画ではIP価値最大化やメタバース領域の開発に向け400億円の投資を行うことも明かされました。

これに伴い、バンダイナムコは2023年3月期から映像音楽事業とクリエイション事業を「IPプロデュース事業」に一本化しています。事業規模は家庭用ゲームなどの「デジタル事業」やおもちゃの「トイホビー事業」に劣りますが、利益率はこれらに匹敵しており、第三の柱に育つことが期待されています。

【IPプロデュース事業のセグメント利益の推移】

 

出所:バンダイナムコホールディングス 決算短信より著者作成

【セグメント別の業績(2023年3月期)】

 

出所:バンダイナムコホールディングス 決算短信

また、バンダイナムコが子会社に物流会社を持つことはあまり知られていません。1963年に「バンダイ運輸」として設立され、2007年に「バンダイロジパル」と「ロジパルエクスプレス」の2社に分かれました。グループ物流会社としてのノウハウを生かし、おもちゃやアミューズメント機器の配送などで検査やメンテナンスも一貫して行う付加価値の高いサービスを提供しており、業績も好調です。

【グループ物流会社の業績】

 

出所:各社の決算公告

文/若山卓也(わかやまFPサービス)