つみたて投資枠のメリットを活かす方法
ここまでそれぞれの枠の特徴を説明しましたが、まずつみたて投資枠はどのように使えば良いのか。結論から言うと、投資信託の「定額購入」がおすすめです。
やり方は簡単で、「どの投資信託を毎月いくら買うか」を設定するだけ。例えば月3万3000円の定額購入を設定すれば、年間で39万6000円の投資が可能です。現在のつみたてNISAは年間の投資枠が40万円までですが、新NISAのつみたて投資枠は年間120万円。つまり、毎月10万円までの投資が可能となるのです。
定額購入するメリットは何かというと、聞いたことがある方も多いかもしれませんが、「ドルコスト平均法」を活かした投資ができることです。
そもそも、投資で勝つ方法は大昔から変わりません。安いときに買い、高いときに売る。これさえできれば、どんな投資でももうけることができます。ただ、こうした理想を言うだけなら簡単ですが……目の前の株が買い時なのか、売り時なのか、素人ではその正確な判断ができません。だからこそ、投資で損する人と得する人が分かれるのです。
一方で、「安いときにたくさん買って、高いときには少しだけ買う」という投資であれば、実は誰でも実践でき、その方法こそが定額購入なのです。
例えば、投資信託を毎月10万円買うケース。今月、投資信託の価格が1万円だったので、あなたは10口分を購入しました。しかし翌月、価格が8000円まで下がってしまった。この場合、12.5口分を買うことになります。さらに翌月、価格が1万2500円まで上がった。ここでは買える口数が減り、購入数は8口になります。
このように、毎月一定額を投資することで、安いときはたくさん、高いときは少量を買うことになります。その時々でベストな買い時を見分けた投資はできなくても、平均してベターな投資ができる。この手法をドルコスト平均法と言います。
なお、新NISAのつみたて投資枠で購⼊できる商品は、2023年までの「つみたてNISA」の対象商品と同じです。したがって、現在つみたてNISAを行っている人は、2024年からの投資プランにあわせて、毎月の投資額を見直しておくと良いでしょう。