過去の交際相手に幻滅した瞬間

金融機関勤務なので、交際相手も自然と金融関係者となりがちです。彼らは貯めることは得意だけれど、ハッキリ言って使うのは下手……。

洋服やレジャーにはあまり興味がなく、ランチに松竹梅の3コースがあれば常に「竹」を選ぶタイプです。要は、「梅では恥ずかしいけれど、ランチで松はちょっと高過ぎる」というわけです。

一緒に行動する中で、こうした思考回路を見せつけられると、どんなにイケメンでも、どんなに仕事ができる先輩でも途端にダサく感じてしまい、たちまち気持ちが冷めました。

使うべき時に使える「理想の彼氏」

その点、代理店勤務の今の彼のお金の使い方は自分と似ていると感じることが多々ありました。決しておしゃれではないし、車や趣味のコレクションに大金をつぎ込んでいる様子もありません。

二人とも仕事が忙しいので、普段のデートはお互いの部屋で私の手料理でゲームを楽しむ程度です。でも、昨年の私の誕生日は欲しかった高級ブランドの限定アクセサリーをプレゼントされました。付き合って1年目の記念日には、知らないうちに沖縄のヴィラリゾートを予約してくれていました。

ヴィラリゾートは1泊20万円以上するところだったのでさすがに「割り勘にしようよ」と申し出たのですが、「大事な記念日くらいはいいカッコさせてよ」と彼も譲りません。彼はひと昔前風に言えば高学歴・高身長・高収入の「三高」ですが、私が一番評価するのは、何よりも“メリハリのあるお金の使い方”でした。

彼から紹介されたご両親も自営業で、埼玉で美容室を経営していて70歳を機に引退したとのことでした。元美容師とあってお二人とも年齢よりもかなり若い感じで、お会いした時はユニクロの色違いのシャツをセンスよく着こなしていました。

話題豊富なお二人とは話も弾み、お母さまから「金海さんのご両親も自営業なのね。道理でお話が合うと思ったわ」と言われ、やはり育った環境は大きいのだなと思いました。

私は一生仕事を続けるつもりですが出産はしたいので、35歳までには結婚できたらと考えていて、次第に彼を結婚相手として意識するようになりました。そんな彼の意外な一面を知ったのは昨年秋のことでした。