特別コラム:ミドル・シニアの婚活事情

前述の通り、配偶者やパートナーとの過ごし方において多様化は進んでいますが、同時に初婚か再婚かにかかわらず、中高年になってからの結婚も今後増えていくと考えられます。そんな中高年のパートナー探しの最新事情、そしてこれからパートナー探しをする人に向けてのアドバイスを結婚相談所パートナーエージェント 成婚コンシェルジュ小崎佳澄氏に聞いてみました。

※ 本コラムでは一部抜粋にてご紹介いたします。

Q 結婚のために活動(以下、婚活)をされる中高年世代の方々は、昔と比べて違いはありますか。

現在の女性たちの多くは仕事を持ち、経済力や地位も向上していますので、婚活を行う上で男性に対して重視しているものが変化しています。以前は、女性の多くは、経済的安定を求め、パートナーに対して年収要件を重視していました。現在は、将来に向けて一緒に生きていきたいと思えるパートナーかどうかという点を重視している女性が増えています。

しかし、40歳代後半以降の男性は、いまだに女性が家事を担い、男性が稼ぐ、という意識を持っている方も少なくありません。加えて、男女ともに年齢が若い方を望んでいます。女性の場合は、平均寿命が長いので、10歳程度、年齢が若い男性が自分と丁度よいくらいだと思っているようです。男性は子どもが欲しい方もいるので、若い女性の方を探しておられる方が多いです。結婚相談所に申し込んでこられる段階では、男女ともに希望と現実にギャップが生じています。

Q どのような方々が婚活を通じてうまくパートナーを見付けることができるのでしょうか。

どちらが何をやるというのではなくて、2人で一緒に協力して1つのものを作り上げていくという意識を持てる方々が自分にとって良いパートナーを見付けています。お互い相手を尊重することができるということが大切なのです。結婚相手に対して求める年齢や家事分担などはあくまでも自分の価値観ですので、そこに固執する方はうまくいきません。自分の心の中で、重視をしているものをきちんと理解した上で、相手に求める外形的な条件については、必要に応じて方向転換ができる柔軟性のある方が、男女ともにパートナーを見付けられるケースが多いと感じます。中高年の場合は、同じくらいの年収や年齢で、志も似ていて、休日はお互いを高め合えるような相手と結婚されている方々が多いと感じます。

Q 結婚後も長く続いている方々の特徴を教えていただけないでしょうか。

仕事をしている女性が多いことから、家庭内でも対等な立場を望んでおられる女性が多くなっています。離婚に至るケースはいろいろありますが、昔は、夫の収入が少なくても、我慢してでもこの人と一緒にいなければならないという感じでしたが、今の女性は収入があるので、離婚しやすくなっています。そのため、目指すべき結婚生活に対する意識を共有するためのコミュニケーションをきちんと取ることが重要です。

男性の年収よりも、いかに自分を大事にしていくかという点を重視している方が多いので、生活にかかる費用は自分が出すのでやってほしい家事などを明確にする方もいます。最近では、パートナーは探していても、週末婚や事実婚という形を望む方も増えてきています。

Q 日本社会における中高年の結婚はどう変化していくと思われますか。

昔は、配偶者が亡くなった後は、再婚等をせずにお迎えの日が来るのを待っていた方が多かったと思いますが、今は、自分の幸せのために、歳をとっても再婚する方(あるいは再婚を希望する方)は増えてきています。体力的、精神的な面でも今の中高年世代は若いと感じますので、人生の豊かさのために、いくつになっても良いパートナーを見付け、一緒に過ごすことは大切なことだと思います。

Q 中高年になっても良いパートナーに巡り合うための秘訣を教えていただけないでしょうか。

身なりを整えて、健康で清潔であることがとても大切です。女性であれば、家にいてもきちんと化粧をするという意識の高さがあってもよいと思います。身なりをきれいにしなくなるのは、人生をあきらめるということと同じですし、誰かに出会いたいという願望がないからきれいにしなくなるのではないでしょうか。人間としての幅を広げていくという意味では、仕事だけではなく、趣味を持ち、友人を持つことも大切です。人生をあきらめずに、何かの目標に向かっている人は輝いていますし、男女ともに誰かにとって素敵にみえる瞬間があります。そこを何よりも大事にされたらよいと思います。

 

女性と定年

 

小島明子 著
発行所:金融財政事情研究会
定価:1,980円(税込)