拠出上限が大きい場合はマッチングが有利だが
定年退職後も見据えるとiDeCoの選択肢も

【ケース3】Cさんの場合
・50代
・退職一時金制度あり
・確定給付企業年金(DB):なし
・企業型DCあり:事業主掛金25,000円/月
・企業型DCマッチング拠出可能:拠出上限額25,000円/月
・定年年齢:60歳(企業型DCの資格喪失年齢も60歳)

ポイント1 マッチング拠出が有利
企業型DCのマッチング拠出が2万円以上可能な人は、マッチング拠出を選択するのがよいでしょう。マッチング拠出利用者の月平均掛金額は0.73万円で、会社員のiDeCo掛金の平均掛金額1.55万円の半額以下となっています。マッチング拠出は事業主掛金以下という規定があることの影響と考えられます。

Cさんは、事業主掛金が2.5万円あるので、マッチング拠出も2.5万円まで拠出できます。マッチング拠出の申込月は規約に定められており、いつでも申し込みできるわけではないかもしれませんが、申込月のお知らせがあったら、すぐに対応しましょう。

ポイント2 拠出可能な金額が2万円以下のとき
50代はお子さんの教育費負担が重いという年代でもあります。そのため、2.5万円を拠出するほどの余裕がない、という場合も想定されます。拠出可能な金額が少額の場合は、iDeCoに加入して長く拠出を続けるという考え方もあります。

Cさんは60歳を超えても継続雇用で働き続けることを想定していますが、お勤め先の企業型DCは60歳で資格喪失に決まっています。そのため、65歳まで掛金拠出を継続できるiDeCoを選択する、という考え方もあります。

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以上のように3パターンをご紹介しましたが、考え方はケースバイケースです。選択肢が増えた現在、身近に相談できる場所があると安心です。企業型DCの運営管理機関の多くは、電話相談に応じています。気軽に相談してみるのもよいでしょう。

注)加入者数や掛金額等については、2022年3月末時点のもの。
資料出所:運営管理機関連絡協議会「確定拠出年金統計調査(2022年3月末)」
国民年金基金連合会「iDeCo(個人型確定拠出年金)の制度の概況(令和4年3月末現在)」