企業型DCの活用とiDeCo、どっちを選ぶ?
確定拠出年金(DC)には、企業型と個人型の2種類があり、以前は加入対象者が区別されていました。
2002年の個人型DC開始から長らく、企業型DCのある企業の加入対象者(選択制で加入者を選択していない場合でも)は、個人型DCの加入者になれない状況が続きました。
その後、2017年の制度改正では個人型DCの対象範囲が広がり、着実に加入者が増加しました。2020年以降の具体的な数字を見ると、個人型DC(iDeCo)加入者数は1年あたり平均で40万人増加し、企業型DCの1年あたりの増加数・平均31万人を上回っています。
そして2022年5月にはiDeCoの加入可能年齢が65歳まで引き上げられ、国民年金の任意加入被保険者も加入者を選択できる(掛金拠出ができる)ようになりました。その5ヵ月後の10月には、企業型DCの加入者であっても、iDeCoへの掛金拠出が可能になっています(企業型DCでマッチング拠出をしていない場合)。
制度改正は、個々人の選択肢の拡大をもたらす一方、制度の複雑化にもつながっています。以下ではケースを設定して、判断ポイントについて考えてみましょう。