資産運用を任せられる「ロボアドバイザー」とは

ロボットは資産運用の分野にも進出しており、その代表的なサービスが「ロボアドバイザー」です。人に代わってAIなどが資産運用に関するサービスを提供するもので、大きく「アドバイス型」と「投資一任型」の2つがあります。

一般にどちらも最初に簡単なアンケートに回答しますが、アドバイス型は実際の運用はせず銘柄の助言だけ行うもの、投資一任型はその後の運用まで任せられるという点が主な違いです。後者の方がより自動運用に近いといえるでしょう。

投資一任型のロボアドバイザーで先行しているのがウェルスナビです。2023年4月時点で8000億円以上もの資金を集めており、2020年12月には上場も果たしました。

ウェルスナビのサービスは、アンケート回答結果などからリスク許容度を5つに分類し、それに応じて株式や債券といったさまざまな資産に分散投資します。

最も大きなリスクを取る「リスク許容度5」では、2016年1月から2023年3月までにおよそ69%ものリターンを稼ぎました。対して最も小さなリスクで運用される「リスク許容度1」は、リターンが見劣りするものの、コロナショック時も比較的安定している様子が観察できます。

【ウェルスナビの運用実績(ドルベース 2016年1月19日=100)】

ウェルスナビより著者作成

ロボアドバイザーは投資の経験や知識がない人でも、簡単に本格的な資産運用ができる点が大きな強みです。また、忙しく投資に割ける時間がないという人にも向いているでしょう。これらに当てはまる人はロボアドバイザーを検討してみるとよいかもしれません。

ただし上記のパフォーマンスでも見られるように、ロボアドバイザーは価格が変動する資産に投資するため元本は保証されていません。投資はあくまで自分の判断で行うようにしてください。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。