大打撃パッケージメーカーの株価が急騰した理由

冒頭に紹介したスーパーバッグは、もともと原材料や仕入れ品の価格上昇などから利益が安定しない状況に陥っていました。そこにレジ袋の有料化や新型コロナウイルスの影響などから売上高が大きく落ち込み、2022年3月期まで2期連続の最終赤字となってしまいます。

【スーパーバッグの業績】

スーパーバッグ 決算短信より著者作成

スーパーバッグは経営不振からの脱却を目指し、2021年6月に中期経営計画を策定しました。不採算事業やコストの削減を進めつつ、環境に配慮した製品の開発や新規事業の創設などを目指すものです。数値目標としては、2024年3月期までに売上高260億円、営業利益4億円を目指すこととしました。

この取り組みは早くも効果が表れています。スーパーバッグは事業の見直しや固定費の削減に取り組み、2023年3月期に4億5000万円の営業利益を見込む予想を発表しました。市場も好感し、同社株式は大きく値上がりしています。人員削減まで断行したスーパーバッグの改革は、とりあえずは成功を収めているようです。

【スーパーバッグの株価】

Investing.comより著者作成

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。