結局プラごみは減ったの?

有料化に伴い、レジ袋を利用する人は減っているようです。環境省によると、コンビニエンスストアやスーパーマーケットでのレジ袋辞退率は上昇し、使用枚数や国内流通量は大きく減少しました。

【レジ袋有料化の効果】

 

出所:環境省 レジ袋有料化(2020年7月開始)の効果

上記を見れば、確かにレジ袋の有料化には効果があったといえそうです。しかしこの施策はプラスチックごみ対策の1つとして導入されたのであり、レジ袋の利用量を減らすことは直接の目的ではありません。レジ袋の有料化は、プラスチックごみを減らす効果を持っているのでしょうか。

端的にいえば、レジ袋の有料化が実施された年はプラスチックごみが減りました。前年に850万トンも排出されていた廃プラスチックは、2020年に822万トンにまで減少しています。またリサイクルされず焼却や埋め立てで処理された量も、同じく125万トンから112万トンまで減少しました。

【廃プラスチックの総排出量と未利用量】

プラスチック循環利用協会「プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況(2021年)」より著者作成

ただし、廃プラスチックにおけるレジ袋の割合はおよそ2%といわれており、その有料化が単純にこれほどの減少をもたらしたとは考えにくいでしょう。プラスチックごみは近年減少傾向にあることから、2020年は単にその流れを引き継いだだけかもしれません。また新型コロナウイルスの影響によって経済活動が制限されたことも、プラスチックごみが減少した理由として考えられそうです。