女性活躍ファンドは有効? 運用成績をチェック
女性の社会進出は、実は投資信託の運用テーマにもよく採用されています。例えば女性の活躍をテーマにしたETFとして、大和アセットマネジメントの「iFree ETF MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」と、野村アセットマネジメントの「NEXT FUNDS MSCI日本株女性活躍指数(セレクト)連動型上場投信」があります。
前者は性別多様性に優れた企業で構成される「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」への連動を目指し、後者はさらに企業の成長性も加味して銘柄を選別する「MSCI日本株女性活躍指数(セレクト)」への連動を目指します。どちらも国内の時価総額上位700銘柄で構成される「MSCIジャパンIMIトップ700指数」を親指数に持ち、構成銘柄に違いはほとんどありません。
両指数のパフォーマンスは、2019年と2020年はMSCIジャパンIMIトップ700指数を上回ったものの、2021年は下回りました。また2023年3月末時点の3年騰落率も親指数を下回っており、銘柄選定の効果はいまひとつ表れていないといえそうです。
【各株価指数の年次リターン】
上場しない通常の投資信託にも、女性の活躍をテーマとする銘柄があります。女性を積極的に活用する企業や女性の活躍を助けるような事業を展開している企業など、いずれも女性の活躍をテーマとしてファンド独自に銘柄を選定します。
【主な女性活躍ファンドの概要】
ファンドごとに銘柄選定の基準や戦略が異なるため、同じ女性の活躍をテーマとしていても、運用内容は一致するとは限りません。例えば4ファンドの運用期間がそろう2015年7月末から2023年3月末でリターンを比較すると、「女性活躍応援ファンド(愛称:椿)」が他3ファンドを大きく引き離しました。
【各女性活躍ファンドの値動き(基準価額+分配金)】
執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。