・沖縄県民はなぜ低所得? 全国最低…追い打ちかける国の「制度改正」
1979年に国連で女子差別撤廃条約が採択されました。日本も1985年に締結し、同年5月17日に職場における男女平等を目指す「男女雇用機会均等法」が成立します。同法が成立した当時の女性の雇用者数は男性の半分程度でしたが、2022年では男性の約0.85倍にまで増加しています。
【男女の雇用者数倍率(女性÷男性)】
雇用者数の推移から、女性の社会進出は大きく進みました。しかし、まだ性別による格差は完全には解消されていないようです。新型コロナウイルスの感染が拡大したとき、その構造が一部表面化しました。
女性に強く表れたコロナのしわ寄せ
初めて緊急事態宣言が出された2020年4月、男女とも就業者数は大きく減少しました。同年1月からの減少幅は女性で約74万人、男性で約41万人と、もともとの就業者数が少ないにもかかわらず女性の方が大きく減少していることが分かります。
【就業者数の推移(2020年1月~2021年3月)】
コロナの影響が女性に強く表れた理由の1つに、雇用形態の違いがあるとみられます。役員を除くと、男性は正規雇用が全体のおよそ8割を占める一方、女性は約半数が非正規雇用です。非正規雇用は一般に不景気下で採用を減らされやすく、その割合が大きい女性でコロナの影響が強く生じたと考えられます。
【男女別、雇用形態別の人数(2020年)】